ことばのさすらい
~「俳句」と「異文化」による出会い~

この一句

田の神を詩の神として耕さむ

田の神を詩の神として耕さむ

水田光雄

 俳句結社『田』創刊時(2003年)の水田主宰の句です。「出会いの詩とは、季節のなかで風景や人とめぐりあったときの感動によって発せられたこころのつぶやきとおきかえてよい。俳句でうたうとは、先人の伝え残してくれた季語や言葉の調べやひびきを享受しつつ俳句として適った表現に定着させることをいう。新しい俳句の道のりを進んでゆくには、足もとの一枚の田を真摯に耕しつづけなければならない。俳句を愛好する人たちに、「田」は存在している」というのが『田』のスピリットです。

 「ことばを紡ぐ」とは一枚の田に向き合い、耕すことでもあります。ぎりぎりに突き詰めた十七音ということばへの愛情。それが俳句という世界一短い詩の姿なのだと思います。 (2025.10.17 【1】)

筆者紹介

仲 栄司

Eiji Naka

大学でドイツ語を学び、1982年、日本電気(株)に入社。退職まで一貫して海外事業に携わり、ドイツ、イタリア、フィリピン、シンガポールに駐在。訪問国数は約50カ国。
趣味は俳句。『ダリの時計』(句集)、『墓碑はるかなり』(評論)を上梓。
座右の銘は「南国のしあはせバナナあれば足る」
東南アジアの「空気感」が大好きです。