初山河一句を以つて打ち開く
長谷川櫂
元日を迎えて眺める山河には、ことさら新鮮に映じ、格別の情趣があります。一年のはじまりに新たな気持ちになるからでしょうし、淑気が満ち、新年をことほぐ気持にもなるからでしょう。
この句、「一句を以つて打ち開く」とはすごい気合です。新年の山河をいっそうめでたく、晴々とさせるというのです。山河がますます大きく、広がっていく感じがします。正月から俳句に向き合う覚悟が伝わり、思わずこちらも襟を正す思いです。
作者は長谷川櫂さん。第七句集『初雁』所収。高浜虚子の「春風や闘志いだきて丘に立つ」にも通じる俳人の志の高さを感じる句です。私の場合、ときどきはこういう句を詠んで渇を入れる必要がありそうです。 (2026.01.11 【19】)